大阪万博でも話題に!乗用車と歩行者の共存を推進する「歩車混合交通システム」とは?

皆さんは、「歩車混合交通システム」という言葉をご存じですか?大阪万博で、「モビリティと人が混在する歩車混合交通システムの実証実験」としてパーソナルモビリティが導入されて話題を集めたので、何となく聞いたことがある方も多いかもしれません。 今回は、新しい交通の形として今注目を集めている「歩車混合交通システム」について、導入の効果や懸念、電動パーソナルモビリティとの関係性など、多角的に紐解きたいと思います。

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記事の目次

  • そもそも「歩車混合交通システム」とは?通常の道路とは何が違うの?
  • 「歩車混合交通システム」が生み出す効果とは?
  • 「歩車混合交通システム」導入の際、懸念されている点とは?
  • 大阪万博で話題に。歩車混合交通システムの実証実験で導入された来場者向けパーソナルモビリティ「e-SNEAKER(イー・スニーカー)」
  • 歩車混合交通システムの今後の動向に注目!

そもそも「歩車混合交通システム」とは?通常の道路とは何が違うの?

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歩車混合交通システムとは「人中心の道路実現」を目指し、歩行者や自動車、次世代モビリティが共存する道路空間を創ることです。
従来は「自動車の円滑な通行」が道路整備において最優先されていましたが、近年の電動パーソナルモビリティ普及を受け、多様な移動手段が許容される移動空間が求められるようになりました。
歩車混合交通システムは、車と歩行者の棲み分けが明確な通常の道路とは異なり、「歩行者と自動車双方の安全を確保したうえで通行空間をシェアする」という今までにない新しい発想です。
歩行者に優先権を与える形で自動車と歩行者が共存できる空間を整備することで、かつてない新しい価値観や発想を生み出し、子どもから高齢者まで全ての人が安心して利用できる道路を創るという狙いがあるのです。

「歩車混合交通システム」が生み出す効果とは?

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歩車混合交通システムは「車と歩行者の通行帯を一元化して混ぜるだけ」と誤解されがちですが、そうではありません。道路の構造変更や舗装材の高質化、地下埋め込みによる無電柱化や標識・照明など道路付属物の整理を平行して実施することで、道路空間が再編成され、通行環境の改善や快適性向上に繋がります。
画像の「before」と「after」を比較すると分かるように、空間を再編成することで、広々開放感ある魅力的な道路に生まれ変わっています。
自動車の速度抑制による対人・対物事故減少はもちろん、道路再開発による地価上昇や地域活性化にも繋がる取り組みなのです。

「歩車混合交通システム」導入の際、懸念されている点とは?

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乗用車の速度制限などを一定設けたとしても、歩行者の安全性が確実に保たれる保証がない点は懸念事項と言われています。
例えば、視覚・聴覚障がい者や高齢者など、身体の不自由な方が歩車混合道路を歩行する場合、自分のすぐ近くを車が通ることへの不安がより大きくなります。
一方、運転者の立場で考えても、歩行者に合わせて減速や停止などのリスク回避行動を取っているにも関わらず、歩行者が車の存在に全く気がついていなかったら…怖いと感じるはずです。
交通事故削減を目指し、整備を進めるには解決すべき課題も多々残っていると言えるでしょう。

大阪万博で話題に。歩車混合交通システムの実証実験で導入された来場者向けパーソナルモビリティ「e-SNEAKER(イー・スニーカー)」

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近年普及が進んでいる電動パーソナルモビリティ。2025年4月13日から10月13日開催の大阪万博では、近い将来実現する「歩行者とパーソナルモビリティが共存する歩車混合交通システム」実証を目的に、会場内の一部を運転できる電動パーソナルモビリティが導入されました。
タイヤに万博公式キャラクター「ミャクミャク」の目が描かれている遊び心のあるデザインの電動四輪カートは、ダイハツ工業の『e-SNEAKER(イー・スニーカー)』というモビリティです。最大時速は6kmなので、歩行者の近くを走行しても安心!若者だけでなく、「長時間の徒歩移動が難しい高齢者にも優しい」と話題になりました。(同商品は2025年8月から一般発売されています。)
スタイリッシュなデザインと乗り心地良い機能性は利用する人を選ばず、さまざまなシーンで活躍するでしょう。歩車混合交通システムを実装化するためには、歩行者と運転者双方にとって安心・安全な仕組みを整備することが求められています。
「e-SNEAKER(イー・スニーカー)」のような次世代型電動モビリティが街で当たり前のように行き交う光景を、近い将来見ることができるかもしれません。

歩車混合交通システムの今後の動向に注目!

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日本ではまだあまり馴染みのない歩車混合交通システムですが、電動パーソナルモビリティの普及に合わせて今後各地で整備が進んでいくと予測されています。
移動のニーズが多様化している今、どんな人でも安心して利用できる交通環境整備の需要が高まっています。今後の動向にぜひ注目してみてはいかがでしょうか?

以下の道路交通法の記事も参考に、新たな移動空間に関して理解を深めてみませんか。


・道路交通法の新ルール、自転車の新しい罰金制度とは、 2026年4月改正について詳しく解説

https://www.mobilitix.jp/topic/law/article-1762827452/

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