電動パーソナルモビリティの生みの親、セグウェイ。生産終了~次世代スマートモビリティへの進化を紐解く

「平行二輪の立ち乗り」という今までにないビジュアルや、加減速を体重移動で行うという斬新さで、かつて世界中から注目を集めたパーソナルモビリティ、セグウェイ。2001年12月に販売が開始され、高度な技術や近未来的なデザインに多くの人が圧倒されたことは記憶に新しいと思います。 日本に普及してからは、セグウェイに乗ってガイドと共に都市や自然を巡る「セグウェイツアー」やゴルフコースを移動する「ゴルフ用セグウェイ」のほか、警備用車両としてショッピングモールや空港などで導入されているケースも多々見かけました。 しかし「そういえばセグウェイ、最近あまり街で見かけないな…。」と思っている方も多いのではないでしょうか。それもそのはず…実は2020年、人々が新型コロナウィルスの動向に注目している間にひっそりと生産終了していたのです。 今回の記事ではセグウェイの特徴や生産終了に至った背景、今でもライド体験できる場所や、現在どのような形に姿を変えているのか、など…さまざまな角度からモビリティの魅力を紐解いていきたいと思います。

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記事の目次

  • 今さら聞けない!そもそもセグウェイとはどんなモビリティ?
  • 2020年に生産終了したセグウェイ。なぜ市場から撤退することになったのか?
  • 生産終了した今でもセグウェイに乗れる場所はあるのか?
  • セグウェイの現在。形を変えて進化しているって本当?
  • セグウェイは、形を変えて今も進化を続ける革新的なモビリティ

今さら聞けない!そもそもセグウェイとはどんなモビリティ?

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セグウェイは「パーソナルモビリティ」の一種に分類される乗用具です。パーソナルモビリティとは、街中での近距離移動を想定した1~2人乗り電動コンセプトカー全般のこと。
セグウェイはアメリカの発明家ディーン・ケーメン氏を中心に開発され、Segway Inc.によって販売された電動二輪車です。車輪が2つ横に並んだ平行二輪タイヤ上のボードに足を乗せ、立ったまま操縦します。アクセルやハンドルはなく、運転者の体重移動に合わせて移動する点が特徴です。
2001年に販売された際、他に普及していた電動パーソナルモビリティは電動車いすだけでした。そのため「画期的で新しい移動手段」として話題になったのです。

2020年に生産終了したセグウェイ。なぜ市場から撤退することになったのか?

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販売当時は大きな注目を集めたセグウェイですが、数字が振るわず厳しい状態が続きました。そのため2009年に個人投資家に、2013年には投資会社に、そして2015年には中国の輸送ロボット会社への売却が決まりました。そして発売から20年後に生産終了を発表し、市場からひっそりと姿を消したのです。
なぜあれほど注目されたモビリティは終わりを迎えたのでしょうか。

理由①:価格が高額
セグウェイの価格は1台約100万円とかなり高額です。一般人が気軽に買える金額ではないため、購入先は警察や観光地などの法人がほとんどでした。時代の先を行く乗り物とはいえ、安価な軽自動車と同等の価格設定には厳しさがあったようです。


理由②:道路交通法上でのハードルの高さ
日本国内ではセグウェイの公道走行が禁止されています。
まず、足を乗せるプレートの両側にタイヤが付いている平行二輪タイプのセグウェイは、法で定められた二輪車の定義から外れています。法律上、「二輪車=前後にタイヤがついているもの」と決められているためです。
また公道走行をする乗用具にはブレーキやライト、ナンバープレートの設置が必要ですが、セグウェイにはこれらの機能が付いていません。そのため道路交通法上、公道を走行することができないのです。
せっかく手に入れても道路を走ることができないので一般人への普及が進まなかったと言われています。

理由③:電動キックボードの台頭
高額かつ公道走行ができないセグウェイに代わって台頭した新しい移動手段が「電動キックボード」です。セグウェイより安価に購入でき、規定を守れば公道走行も可能という手軽さと便利さから、若い世代を中心に急速な普及が進んでいます。

上記3つの背景と社会の流れが、セグウェイの需要を阻んだ大きな理由であると言われています。
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生産終了した今でもセグウェイに乗れる場所はあるのか?

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生産終了により街中から姿を消したセグウェイですが、観光地などでライド体験できるアクティビティは僅かながら残っています。
中にはアトラクションのように導入しているケースも…。現在残存しているセグウェイツアーの一例をご紹介します。

東京都立川市・国営昭和記念公園の「Segway Guided Tours」
廃止された場所も多いセグウェイツアーですが、東京都立川市にある、国営昭和記念公園では今でも定期的にツアーを実施しています。東京ドーム約35個分の広大な敷地内をセグウェイに乗って回るのはとても爽快!通年のツアーに加えて、季節の花木を楽しめるシーズン限定ツアーも定期的に開催されています。
ガイドによる講習もあるので初めて乗る方でも安心!出発前に手厚いレクチャーがあるので、誰でも簡単に乗りこなせるようになります。
また平日限定でプライベートツアーがあるのも特徴です。他の参加者に気を使うことなく、自分のペースで講習やツアーが楽しめますよ。
(※プライベートツアーは最小1名、最大6名での申込が可能で、予約人数によって価格が異なります。)

神奈川県足柄下郡箱根町・「箱根芦ノ湖セグウェイツアー」
2019年4月から、セグウェイを使用したアクティビティツアーの公道実証実験が始まった箱根、芦ノ湖。美しい湖畔をセグウェイで巡りながら自然を楽しむことができると好評で、2025年現在もツアーの予約を受付しています。
山々に囲まれた関東地方有数の景勝地、芦ノ湖の絶景や満巻上人によって鎮められたと伝えられている龍神を祀る九頭龍神社本宮、天然記念物に指定されている数多くの動植物など…見どころたくさんのコースを巡ります。
通常、セグウェイでの公道走行は禁止されていますが、箱根芦ノ湖セグウェイツアーは実証実験として正式に関係省庁からの許可を得ているので「セグウェイで道路を走る」というレアで貴重な体験ができますよ。
箱根旅行のプランに組み込めば、いつもと少し異なる旅の思い出が作れそうですね。
※普通自動車運転免許または普通自動二輪免許などの運転免許証保有者であることがツアー参加条件です。

③神奈川県横浜市・横浜の海や歴史を感じる「横浜セグウェイツアー」
横浜セグウェイツアーの起源は2017年10月。みなとみらい21中央地区公道で、関係者向けにセグウェイツアーの実験が行われたことが始まりでした。
2018年8月には、汽車道や赤レンガ倉庫周辺、象の鼻パークなど、人気の高い観光スポットをセグウェイで巡るモニターツアーを行いました。
国内で唯一、都心臨海部の公道を走行できるセグウェイツアーとして現在も高い人気があります。

※普通自動車運転免許または普通自動二輪免許などの運転免許証保有者であることがツアー参加条件です。

④鹿児島県奄美市・「セグウェイツアーin奄美」
奄美大島の大自然を満喫できる「セグウェイ体験ツアー」と「セグウェイマングローブ散策ツアー」もぜひ体験してほしいアクティビティです。
住用町内にある黒潮の森マングローブパーク園内でセグウェイに乗って自然と一体になる感覚が味わえます。
体験ツアーの所要時間は30分、マングローブ散策ツアーは60分です。
ライトに楽しみたい方は前者を、じっくりパーク内を散策したい方は後者を選ぶと良いでしょう。

住用町は緑の山々と水に囲まれた美しい街です。山林が全体の94%を占めており、国指定の天然記念物である「アカヒゲ・ルリカケス・オオトラツグミ」や特別天然記念物「アマミノクロウサギ」が生息しています。
セグウェイジャパン公認インストラクターによる奄美の方言が飛び交うガイドも必見です。

⑤大阪府豊能郡・ボウケンノモリ「フォレストセグウェイツアー」
大阪府豊能郡に位置する「ボウケンノモリ」は、大自然の中に作られた総合アウトドアパークです。
アクティビティの一つとして、野山を走行できるオフロードタイプのセグウェイに乗って森林を探索する「セグウェイツアー」が体験できます。
林間道を走るツアーは国内でもかなりレア!森林を熟知したガイドが同行し、コースの見どころを解説してくれるのもフォレストセグウェイツアーならではの魅力です。

セグウェイに乗って、四季折々の自然を満喫してみてはいかがでしょうか?
また「ボウケンノモリ」にはセグウェイツアー以外にもさまざまなアクティビティやアトラクションがあるので、大人も子供も1日中楽しめます。
友人とのグループ旅行や家族旅行にもぴったりです。
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セグウェイの現在。形を変えて進化しているって本当?

生産中止から約5年、セグウェイは電動キックボードの開発・販売を主力としたロボティクス事業に姿を変え、順調にシェアを伸ばしています。
スクーターにIoT機器を内蔵し、位置情報やバッテリー残量、ロック、ロック解除などの動態管理を可能とするネット接続型電動キックスクーターなど、テクノロジーやAIを駆使した商品を開発している点が特徴です。
また、IoT機器搭載キックスクーター、ライダー用・管理者用アプリなどが統合された法人向けシェアサービスも提供。
地方自治体やリゾートホテルなどの観光業、大学や企業のキャンパスにおける移動ツールとして販売活動を行い、少ない台数でも事業が開始できるプラットフォームを提供しています。

2025年3月にトルコ・イスタンブール開催された年次会議「APAC & METディストリビューターズ・カンファレンス」では、最先端のスマート機能と安全技術が統合された新製品の発表が行われました。

最新の製品ラインには最先端のスマート機能や安全技術が統合されると公表され、今世界で注目を集めています。

画期的なテクノロジーやITの力を用いて世代交通システムの更なる進化を目指し、今も躍進を続けているのです。

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セグウェイは、形を変えて今も進化を続ける革新的なモビリティ

かつて世界中の人々が注目した電動モビリティ、セグウェイ。現在は形を変えてIoTを活用した新しいビジネスモデルを展開しています。
一方、ツーリズム事業の一環としてセグウェイツアーを今でも続けている観光地もあるので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
移動手段をよりスマートでスタイリッシュにする次世代モビリティ。今後の動向にもぜひ注目したいところです。
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