2025年12月05日
超小型EVとは何か?特徴やおすすめの用途、利用のメリットを解説!
現在多くの自動車メーカーが販売しており市場にも出回っている電気自動車(EV)。新たな移動手段として、軽自動車よりコンパクトな「超小型EV」が今注目を集めていることをご存じでしょうか。 今回の記事では超小型EVの特徴やメリット、どのような場所・シーン・用途で有効に活用されているのかなど…さまざまな角度からモビリティの魅力や特徴を紐解いていきたいと思います。
読者の関心度
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片倉 好敬
Katakura Yoshitaka
アベントゥーライフ株式会社
代表取締役 兼 CEO
今さら聞けない!そもそも超小型EVとはどんなモビリティ?
超小型EVは「パーソナルモビリティ」の一種に分類される乗用具です。パーソナルモビリティとは、街中での近距離移動を想定した1~2人乗り電動コンセプトカー全般のこと。
超小型EVは、軽自動車よりさらにコンパクトなサイズ感が特徴で、都市部や住宅街の狭い道路でも小回りが効くコンパクトな電気自動車です。
全長約2.6メートル、幅約1.3メートルと、1~2人乗り向けの小さなボディですが、航続距離は約100km~160km、最高速度は時速約60kmと高性能。日常生活の様々な場面で活躍可能です。まるでミニカーのようなフォルムも可愛らしいですよね。
大流行中の超小型EV。メリット、デメリットをそれぞれ解説!
「ちょっとした移動に便利」と評判の超小型EVには多くのメリットがあります。まず、とてもエコロジーで環境に配慮された、次世代のモビリティだということ。通常の電気自動車同様、動力が電気なので走行中の二酸化炭素排出量削減に大きく貢献しています。
車両価格は約110万円前後で、原付並の維持費で所有可能な点も嬉しいポイントです。超小型EVは法律上「第一種原動機付自転車(ミニカー)」と同じ扱いなので、車検の義務や重量税の納付が不要です。自動車税は年間2,000円、自賠責保険料は年額5,000円程度なので、とても経済的ですよ。
比較的取得が簡単と言われている原動機付自転車免許があれば運転できる点も手軽で嬉しいですよね。(すでに普通自動二輪免許、大型自動二輪免許、大型特殊自動車免許、普通自動車免許、準中型自動車免許、中型自動車免許、大型自動車免許を持っている場合は代替可能)
加えて、家庭用電源でも充電可能な手軽さもメリットの一つです。充電コストは1回あたり100円以下。電気自動車の場合、場所によっては充電スポットが少ないという課題がありますが、その心配も無用です。
このようにメリットが多い超小型EVですが、未解決の課題やデメリットも…。
一見、自動車のような外装ですが、扱いは「第一種原動機付自転車(ミニカー)」なので高速道路を走行できません。遠方への外出には不向きで、基本的に生活圏内での利用が想定されています。
また、軽自動車よりさらに小さいサイズ感から、万が一衝突事故が起こった際は衝撃に耐えられるのか…など、安全面を不安視する声も多いです。ミニカー用の駐車スペースが整備されていないケースも多く、法制度が整っていない点も課題だと言われています。
これらの課題を理解し、利用シーンを検討・想定したうえで導入すると良いでしょう。
超小型EVはどんなニーズを持つ人が多く利用しているのか?
近年注目を集めている超小型EV。日常利用はもちろん、ビジネスとしての活用にも期待が高まっています。具体的にどのようなシーンで利用されているのでしょうか。
ニーズ①:介護福祉等、地域巡回が必要な訪問業務に
超小型EVは福祉の観点からも活用の期待が高まっています。例えば、地域の保健師が要支援者宅に訪問するケースで、2人乗り小型EVを活用している事例があります。
訪問先の軒先やちょっとした空きスペースに駐車できるため、巡回職員の駐車ストレス軽減、駐車場所に対するクレーム削減の効果がありました。また狭い道で小回りが効く点も、集落などへの訪問にはとても便利です。
ニーズ②:配送業務の効率化に
超小型EVは、現在ヤクルトレディの配達(※一部地域限定)やセブンイレブンの宅配サービスにも活用されています。二輪よりも運転しやすく、配達先の狭い道路への進入や停車が可能とドライバーからも高評価。女性やアルバイトなど、二輪の操縦に不慣れな方の運転にも適していると言えるでしょう。(※セブンイレブンの超小型EV宅配は2028年終了が決定)
ガソリン車を利用するより燃料費等の経費削減に繋がるなど、経済的なメリットもあり、配送業務の効率化に貢献しています。
ニーズ③:観光地の移動手段として
観光地の移動手段として超小型EVを活用している事例もあります。
現在はサービスを停止していますが、鳥取県岩美町では、鳥取砂丘から浦富海岸エリアにかけての山陰海岸ジオパーク内の海岸線を超小型のEV「ジオコムス」で巡るプランを展開していました。他にも、狭い道幅が多い温泉街の移動手段やアクティビティとして導入されていたケースも複数見られます。
また、四輪ではありませんが、電動トゥクトゥク(三輪EV)を活用したモビリティサービスを導入している事例もあります。株式会社eMoBiは2023年3月に鎌倉駅前にレンタルステーション「えもび鎌倉」をオープン。鎌倉の街中を、いつもとはちょっと違った目線で楽しく周遊できると評判です。
超小型EVを活用し、移動のQOLを高めよう!
このように、さまざまなニーズと活用方法がある超小型EVは無限の可能性を秘めています。正しく利用すれば移動のQOL向上はもちろん、社会問題の解決にも繋がります。
ビジネスシーンでも活用のチャンスが多々あるモビリティの動向に、ぜひ注目してみてはいかがでしょうか。